5月某日、母・ずん子の誕生日なので「おめでとー」と電話した。
いくつになった?ありゃまーーもう60歳かね!

「あのね『♪村の渡しの船頭さんはぁぁ〜 今年60のおじいさん〜♪』って
唄があるんだけど、そんな『おじいさん、おばあさん』って感覚じゃないわぁ」
と、突然電話口で歌い出したずん子。

…しらんなぁ〜そんな唄w で、続きは??と聞くと(誘導すると)

「えっとね〜〜(嬉しそう)
♪年はとってもお船を漕ぐ時は〜 
元気いっぱい 櫓がし〜な〜る
ソレ!ギッチラ、ギッチラ、ギッチラコォ〜〜〜!!」

…かなり熱唱w

うちのずん子は、少々(?)天然です。
いろんな伝説があります。

でもたまーーにサクッと何か見えてるみたいな言葉を言い放つ。
『こけもも』すら生まれてないデザイナー見習い時代から
「おゆみさん(私をこう呼ぶ)は漫画描いた方がいいわよ」と
言われ続けてきましたし。
最初は「なにを根拠に?」と首を傾げてたんですが。。

私の絵が好きというのは、母の血。
社会人の頃絵画クラブで油彩をしていたそうな。
彼女の好きな作家はゴーギャンで、私たち兄妹がまだ幼い頃
ワタワタと鵜飼いのように手を引かれて、県美術館まで
展覧会を観に行った覚えがある。
なので数年前の誕生日にゴーギャンの画集をプレゼントしたが、
「やっぱり絵は本物にかぎる」と宣われた。

…ゴメン、血反吐を吐くほど一生働いても
ゴーギャンの真作は贈ってやれんぞ。絶対!!!w

好き嫌いはあるけれど、絵の話をしていると
今でも審美眼は彼女の方が長けていると思わされる。



先月、東京へ行った際、岡本太郎記念館に行った事を話した。
数年前、マップ制作のお仕事のご依頼を初めて頂いた際、
彫刻の森美術館内を説明をうかがいながらグルッとまわっていて、
燃え立つような白い彫刻が目に飛び込んで来て
「あれは誰のですか!」とビックリして聞いたのが
太郎さんの「樹人」だった。
素晴らしい作品群の中で、あんな形、あんな躍動感、
他になかったから、記憶に凄く残った。
…というのが太郎さんとの出会い。
それまでは恥ずかしいくらいに無知だったので
絵画以外の作品も手掛けてるんだ!と
驚いたくらいでして。
(太陽の塔は知っていたけど)

それから彫刻の森の学芸員の方からお話をうかがったり
出版されている本を少しずつですが読んだりして、
ますます“人間・岡本太郎”に魅了されている。
プラス、その片腕として人生を捧げ
支え続けた敏子さんにも。

記念館の面積は生前の岡本太郎邸を解放しているため
広いわけではなかったけれど、常設してある
絵画を間近で観れて、胸がドキドキした。
うまく言葉に出来ないのが情けない。

「あの作風の絵を描く人は、世界にただ一人
太郎さんだけなんだよ。
印象派だナンだなんてくくり、どこにも当てはまらない。
あの独創性と強烈な個性、本当に凄いと思う。
なんだろう、あのチカラは」

そう母に言ったら

「太郎さん、時代を先取り過ぎてるよね」


…だぁーーーーー、そうだ。
言葉にできずに感じてた凄さって、それかも。
めっっちゃくちゃ腑に落ちた。

…まだまだ彼女には、かなわんなぁ。。
久々にハッとさせられました(^^;